
SCENE 01
見つめる森
戦いが終わった。
早紀は、浅い水の流れる森の中を、ゆっくりと歩いていた。
肩で息をしている。銀色の鎧には傷が残り、長い髪も濡れて頬に張りついていた。
ここは、魔物の棲む森。
頭上には白い月。木々の奥では、いくつもの黄色い目が光っている。
一つ。二つ。
気づけば、早紀の行く先を追うように、何匹もの魔物がこちらを見ていた。
「……まだ、いるのね」
早紀は立ち止まらなかった。剣を握る力も、もうほとんど残っていない。
ただ今は、どこかで休みたかった。
しばらく歩くと、森の岩肌に小さな洞窟を見つけた。早紀は中へ入り、冷たい岩に身体を預けるように腰を下ろした。
「少しだけ……休ませて」

